【レッスン2】情報断食が脳にもたらした変化

16時間断食で“体の静けさ”を知った頃、
私はもう一つの断食を始めていました。
それが 情報断食 でした。

テレビ、ニュース、SNS、絶え間なく流れ込む通知。
私たちは食べ物以上に、
膨大な情報を毎日摂り続けています。
気づけば脳は、消化しきれない情報でパンパンになり、
本当に考えるべきことを考えられなくなっていく。

ある日、私はふと思ったのです。
「こんなに情報を浴びて、心は休めているのだろうか」と。

そこで試しに、
テレビをつけないで一日を過ごしてみました。

最初は落ち着きませんでした。
何か大事なことを見逃している気がして、
手持ち無沙汰になるたびスマホに手が伸びる。

でも、数日続けた頃——
脳の奥にあった“ざわざわ”が、
すっと引いていくのを感じました。

情報が減ると、
脳はそれまで押し込めていた静けさを取り戻します。
思考はゆっくりとまとまり、
感情は過剰に揺れなくなり、
本当に必要な情報だけをつかむ力が戻ってくる。

「こんなにも軽くなるのか」
そう驚いたのを覚えています。

情報断食の効果は、ダイエットの効果に似ていました。
どちらも減らすことで、
本来備わっている力が自然に働き始めるのです。

食べ過ぎていたときにはわからなかった体の声が、
静けさを取り戻すと自然に聞こえてくるように、
情報にまみれていたときには掴めなかった
“自分の本音”がゆっくり浮かび上がってくる。

情報断食は、世界を狭める行為ではありません。
むしろ逆で、
自分の内側に眠っていた世界が広がり始める行為です。

外から入れるものを減らすと、
内側から湧き出す声が聞こえてくる——
それが情報断食が教えてくれた最も静かな真実でした。

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