【第6話】朝活が教えてくれた“静かな自分”との再会

ダイエット

朝早く起きる習慣を始めた頃、

私はまだ「朝活」という言葉の意味をよく理解していませんでした。

ただ、あの日の散歩で感じたあの“静けさ”を、

もう一度味わいたいという気持ちだけがありました。

外に出ると、世界はまだ動き出す前のように静まり返っていました。

車の音も、人の声もほとんど聞こえない。

ただ風の音と、自分の足音だけが耳に届きます。

その静けさの中で歩いていると、

これまで一日中まとわりついていた雑念が、

すーっと薄れていく感覚がありました。

思った以上に、私はずっと“騒がしい心”の中で生きていたのだ

気づかされました。

心が静まると、思考も自然と整理されていきます。

「何に焦っていたのか」

「なぜイライラしていたのか」

「実際には何が問題だったのか」

そんなことをゆっくり考える余裕が、朝の空気の中にありました。

私はそれまで、

何かを変えるには根性が必要だと思っていました。

強引にでも行動を変えれば、

心も後からついてくるはずだと。

しかし、朝活を続けるうちに気づいたのです。

心が整うと、行動は自然に変わり始める。

根性よりも先に、心の状態が鍵になる。

朝の静けさは、それを教えてくれました。

■ 思考が整理されると、感情が安定していく

以前の私は、

「不安」「イライラ」「焦り」といった感情が

自分の中で渦巻く理由を、うまく説明できませんでした。

ただ、そう感じるからそうなのだと思い込んでいたのです。

しかし、早朝に歩きながら、自分の心を観察してみると、

感情は“突然発生する霧”のようなものではなく、

その背景に必ず原因があることが少しずつわかってきました。

・昨日の寝不足

・仕事の小さなプレッシャー

・ちょっとした気まずさ

・疲れの蓄積

・将来への漠然とした不安

それらが知らない間に混ざり合い、

「ストレス」というひとつの大きな塊になって

心に覆いかぶさっていたのです。

朝活は、その塊をゆっくり紐解く時間でした。

心の中にある不安や焦りの“正体”がわかると、

過食や衝動的な行動に流されることが少なくなりました。

理由がわかれば、心は落ち着く。

落ち着いた心は、乱れた行動を自然と選ばなくなる。

この感覚は、私にとって大きな発見でした。

■ 静けさは「自分の声」を取り戻す場所だった

朝の時間に歩いていると、

ふと、自分自身の声が聞こえてくることがありました。

「本当はどうしたいのか」

「何をやめるべきか」

「どこを整えたいのか」

それまで、日中の騒がしさの中では

まったく聞こえなかった声です。

私たちは日々、膨大な情報と刺激にさらされています。

テレビ、SNS、広告、仕事の連絡……

自分の意思とは関係なく、次々と外から流れ込んでくるものばかり。

静かな時間がなければ、

自分の声はそのざわめきにかき消されてしまいます。

しかし、早朝には雑音がありません。

だからこそ、心の奥に沈んでいた“本音”が浮かび上がってくる。

その本音こそが、

後に20kgの減量を導いた「考え方の刷新」の源でした。

■ 朝活は「行動を変えるための土台」をつくっていた

私にとって朝活は、

“特別なテクニック”ではありませんでした。

むしろ、

心に余白を与え、自分の声を聞けるようにする習慣

だったのです。

心が静まり、思考が整理され、感情が整うと、

無理に頑張らなくても行動が変わり始めました。

・ジャンクフードを自然と避けたくなる

・軽い運動が心地よく感じられる

・夜更かしをしなくなる

・生活リズムが整う

すべては、朝の静けさがもたらした変化でした。

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