【第12話】運動編:ウォーキング → スロージョギングへ

朝活を始めて間もない頃、私が最初に取り入れた運動は、

とても小さな一歩でした。

「歩く」こと。

それだけです。

最初は20分、次第に30分ほど歩くようになりました。

走ろうとは思いませんでした。

むしろ、走る行為に苦手意識があり、

体力にもまったく自信がなかったからです。

でも、“歩く”という行為は不思議と心地よく、

朝活の流れに自然に馴染んでいきました。

■ 朝活の延長としてのウォーキング

朝の散歩は、

単なる運動ではなく、

心の整理と体のウォーミングアップを兼ねた習慣

になっていました。

早朝の静けさの中で歩くと、

自分の呼吸が整い、

足音が一定のリズムを刻み、

心が穏やかになっていく。

運動が苦手だと思っていた私にとって、

“疲れない運動”であるウォーキングは、

非常に続けやすいものでした。

「歩くだけなら、今日もいける」

そんな感覚が、継続を支えていました。

■ Apple Watch のバッジシステムが習慣化に効いた

ウォーキング習慣が定着し始めた頃、

私はApple Watchの“エクササイズリング”の存在を知りました。

リングが閉じると、

小さな達成バッジが表示される。

ただそれだけの仕組みです。

しかし、この“見える化”が驚くほど強力でした。

・昨日は閉じたから今日も閉じたい

・連続記録を途切れさせたくない

・少し歩けばリングが閉じるなら、あと10分歩こう

そんな気持ちが自然に湧いてくるのです。

努力しているという感覚ではなく、

“ゲームのように続いてしまう”という感覚。

習慣とは、

意志の強さではなく、

仕組みと環境 がつくるものだと気づいた瞬間でした。

■ 新鮮さを作る「冒険コース」

ウォーキングを続ける中で、

私はひとつ工夫をしました。

ルートに“冒険”を入れること。

・いつものコースを逆走する

・一本だけ知らない道に入ってみる

・気になっていた路地を歩いてみる

たったこれだけで、

散歩は単なる“運動”から、

“小さな探検”に変わりました。

新しい景色を見ると、

脳が刺激され、

歩くこと自体が楽しみになっていきました。

継続の秘訣は、

飽きさせないこと だと実感したのです。

■ スロージョギングの衝撃

ウォーキングを続けて2ヶ月ほど経った頃、

「スロージョギング」という言葉に出会いました。

“歩く速度のまま、走る”

という、一見矛盾しているような運動です。

ジョギングという言葉が怖かった私は、

最初は半信半疑でしたが、

試しにやってみると衝撃が走りました。

全然つらくない。

息も切れないし、

体も痛くならない。

むしろ、歩くよりも軽やかに前へ進む。

「これなら続けられるかもしれない」

そんな気持ちが湧き上がりました。

最初は1km、

次は2km、

気づけば3km、4kmと距離が伸びていきました。

“運動は疲れるものだ”という思い込みが、

ここで静かに壊れたのです。

■ 『脳を鍛えるには運動しかない』がくれたパラダイム転換

運動の習慣がつき始めた頃、

私はひとつの本に出会いました。

『脳を鍛えるには運動しかない』

運動が脳に与える影響を科学的に解説した本で、

読み進めるうちに、

運動に対する見方が根本から変わりました。

それまで私は、

“運動=痩せるためにするもの”

と思っていました。

しかし本には、

運動がどれだけ脳を活性化し、

ストレスを軽減し、

集中力や意欲を高めるかが書かれていました。

運動とは、

脳と心を最高の状態に保つ“メンテナンス”

だったのです。

痩せるかどうかではなく、

“生きやすくなるための習慣”

という視点。

これが私にとって、

大きなパラダイム転換でした。

■ 運動は“義務”ではなく“心地よい習慣”へ

ウォーキングからスロージョギングへ、

そして運動を脳のメンテナンスとして捉えるようになると、

運動の位置づけが完全に変わりました。

・頑張るもの → 気持ちが整うもの

・義務 → 自分を大切にする時間

・苦しい行為 → 脳が喜ぶ行為

この変化が、

自然な20kg減を後押ししてくれたのです。

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