習慣づくりにおいて、
もっとも大きな敵は「怠け心」ではありません。
それは——
完璧主義 です。
完璧主義は、
「毎日必ず」「全部しっかり」「一度決めたら絶対」
という重たいルールを私たちに押しつけます。
そして一度でもできなかった瞬間、
「ほら、やっぱり自分は続かない」と心に囁き、
挑戦そのものをやめさせてしまいます。
でも実際のところ、
人間の脳は“完璧”とは極めて相性が悪い構造になっています。
逆に、
「7割でOK」というゆるやかな目標の方が、
驚くほど長続きする仕組み になっているのです。
この章では、その仕組みを“習慣化ガイド”としてまとめます。
■ ① 「全部やる」ではなく「1つ残せばOK」にする
7割主義の基本はシンプルです。
「やるべきことの3割は、あえて“残す”」
・運動できなかった日があっていい
・断食が崩れても問題なし
・読書ができない日も普通
・間食してしまう日もあって当然
“全部できなかったから0点”ではなく、
“できた部分だけで70点”の考え方にします。
これだけで、続けるハードルが一気に下がります。
■ ② 習慣は「回数」ではなく「戻れる仕組み」で決まる
習慣化は、
・毎日続ける
・気合を入れる
・強い意志を持つ
こうした努力では決まりません。
本当に重要なのは——
「崩れてもすぐ戻れる“仕組み”があるか」。
7割主義とは、
“崩れても問題なし”という前提を持つことで、
戻るハードルを限りなく低くする習慣法です。
1日、2日、3日できなかったとしても、
また7割で戻ればいいだけ。
これが“継続力の正体”です。
■ ③ 心理的負荷が少ないほど、人は長く続けられる
行動科学では、
人が行動を続ける条件として
- ①努力量が少ない
- ②即時のメリットが感じられる
- ③自責が生まれない
の3つが揃ったときに、継続率が一気に上昇すると言われています。
7割主義はこれをすべて満たしています。
・“頑張りすぎない”から疲れない
・“少しでもできた自分”が自信になる
・“できない日があっていい”から自責がゼロ
つまり、
最も科学的に正しい習慣法 が7割主義なのです。
■ ④ 「やる気が出た日は8割、疲れた日は5割」でいい
7割主義は、
“一定のペースでやること”を求めません。
むしろ、
その日のコンディションに合わせて揺れていい 構造です。
・絶好調の日 → 8割
・普通の日 → 7割
・しんどい日 → 5割
そしてどの日も“不合格”ではない。
この柔らかさが、
継続において最強の武器になります。
■ ⑤ 習慣化のゴールは「自動化」ではなく「嫌いにならない」こと
多くの人は
「習慣を自動化しよう」とします。
しかし本当に目指すべきは、
“その行動を嫌いにならないこと”。
嫌いにならなければ、
人は自然とその行動に戻ってきます。
7割主義とは、
行動への嫌悪感を最小限にし、
未来の自分が「またやりたい」と思える余白を残す方法です。
■ 7割主義は、あなたを裏切らない
完璧主義は、
あなたに重い現実を突きつけます。
7割主義は、
あなたを肯定しながら前に進ませます。
痩せるためにも、
整えるためにも、
生きやすくなるためにも——
最も優しく、最も強力で、最も長く続くのは
7割主義 です。
この考え方さえ根づけば、
あなたの人生はこれから確実に軽くなります。

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