【第23話】7割主義の習慣化ガイド

習慣づくりにおいて、

もっとも大きな敵は「怠け心」ではありません。

それは——

完璧主義 です。

完璧主義は、

「毎日必ず」「全部しっかり」「一度決めたら絶対」

という重たいルールを私たちに押しつけます。

そして一度でもできなかった瞬間、

「ほら、やっぱり自分は続かない」と心に囁き、

挑戦そのものをやめさせてしまいます。

でも実際のところ、

人間の脳は“完璧”とは極めて相性が悪い構造になっています。

逆に、

「7割でOK」というゆるやかな目標の方が、

驚くほど長続きする仕組み になっているのです。

この章では、その仕組みを“習慣化ガイド”としてまとめます。

■ ① 「全部やる」ではなく「1つ残せばOK」にする

7割主義の基本はシンプルです。

「やるべきことの3割は、あえて“残す”」

・運動できなかった日があっていい

・断食が崩れても問題なし

・読書ができない日も普通

・間食してしまう日もあって当然

“全部できなかったから0点”ではなく、

“できた部分だけで70点”の考え方にします。

これだけで、続けるハードルが一気に下がります。

■ ② 習慣は「回数」ではなく「戻れる仕組み」で決まる

習慣化は、

・毎日続ける

・気合を入れる

・強い意志を持つ

こうした努力では決まりません。

本当に重要なのは——

「崩れてもすぐ戻れる“仕組み”があるか」。

7割主義とは、

“崩れても問題なし”という前提を持つことで、

戻るハードルを限りなく低くする習慣法です。

1日、2日、3日できなかったとしても、

また7割で戻ればいいだけ。

これが“継続力の正体”です。

■ ③ 心理的負荷が少ないほど、人は長く続けられる

行動科学では、

人が行動を続ける条件として

  • ①努力量が少ない
  • ②即時のメリットが感じられる
  • ③自責が生まれない

の3つが揃ったときに、継続率が一気に上昇すると言われています。

7割主義はこれをすべて満たしています。

・“頑張りすぎない”から疲れない

・“少しでもできた自分”が自信になる

・“できない日があっていい”から自責がゼロ

つまり、

最も科学的に正しい習慣法 が7割主義なのです。

■ ④ 「やる気が出た日は8割、疲れた日は5割」でいい

7割主義は、

“一定のペースでやること”を求めません。

むしろ、

その日のコンディションに合わせて揺れていい 構造です。

・絶好調の日 → 8割

・普通の日 → 7割

・しんどい日 → 5割

そしてどの日も“不合格”ではない。

この柔らかさが、

継続において最強の武器になります。

■ ⑤ 習慣化のゴールは「自動化」ではなく「嫌いにならない」こと

多くの人は

「習慣を自動化しよう」とします。

しかし本当に目指すべきは、

“その行動を嫌いにならないこと”。

嫌いにならなければ、

人は自然とその行動に戻ってきます。

7割主義とは、

行動への嫌悪感を最小限にし、

未来の自分が「またやりたい」と思える余白を残す方法です。

■ 7割主義は、あなたを裏切らない

完璧主義は、

あなたに重い現実を突きつけます。

7割主義は、

あなたを肯定しながら前に進ませます。

痩せるためにも、

整えるためにも、

生きやすくなるためにも——

最も優しく、最も強力で、最も長く続くのは

7割主義 です。

この考え方さえ根づけば、

あなたの人生はこれから確実に軽くなります。

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