2021年の春、私は 85 キロの体を抱えながら、
どこか落ち着かない日々を過ごしていました。
コロナ禍による閉塞感、見えない不安、先の読めない生活リズム。
それらがじわじわと心をすり減らしていき、
小さなイライラや焦りが積もり重なっていくのを自分でもうすうす感じていました。
気づけば、手軽なジャンクフードや甘い物に手を伸ばす回数が増え、
その瞬間だけ満たされ、あとで自己嫌悪に落ちる
——そんなことを繰り返していました。
不安が食を乱し、乱れた食が心をさらに疲れさせ、その心がまた乱れた食を呼ぶ。
まるで静かでゆっくりした悪循環の中にいるようでした。
「痩せたい」という思いは確かにあるのに、そのための力が湧いてこない。
頑張ろうとすると逆に苦しくなる。
その頃の私は、自分の意思の弱さを責めることばかりしていました。
そんな日々の中で、私はYouTubeを眺めていました。
“何か自分を変えてくれるものはないか”
そんな淡い期待を抱きながら、サムネイルを流し見していたのです。
そこで初めて、本を要約して紹介するチャンネルの存在を知りました。
動画リストを見ていくうちに、ひとつの書籍タイトルが目に止まりました。
「22時に寝たので僕の人生は無敵です」
奇妙で挑発的なその言葉に、なぜか心を掴まれました。
クリックしてみると、「早く寝て早く起きる」という、
あまりにシンプルな行動がその人の人生を前向きに変えたという話でした。
正直に言えば、最初は
「そんなことで人生変わるの?」
と半信半疑でした。
けれど、動画を見終わったあと、心の奥底でわずかな反応がありました。
——もしかしたら、今の自分にもできるかもしれない。
翌朝、私は少しだけ早く起きて、外に出て歩いてみることにしました。
わずか20分ほどの散歩でしたが、
胸の奥に、久しく感じていなかった“静けさ”が流れ込みました。
その感覚が忘れられず、
気づけば朝の時間に惹かれるようになり、
「朝活」という世界に足を踏み入れていました。
朝活を行う中で、
有名な『人生を変えるモーニングメソッド』 をはじめとする
数々の“朝時間の本”を読み漁っていきました。
ページをめくるたびに、
「人間はこうやって自分の生活を整えられるのか」
という驚きや希望が静かに膨らんでいきました。
この序章ではあえて深く触れませんが、
テレビを見る時間を減らし、
代わりに本を読み、
そこで得た知識を自分で試してみるようになったこと。
これが後に、私の人生の大きな転換点となっていきます。
そして私は気づきました。
変われない理由は、努力不足でも根性不足でもなかった。
考え方そのものが“古いまま”だったのだ、と。

このブログは、
私が 85 キロから 65 キロへと変化した記録であると同時に、
「考え方が更新されると、体も行動も自然に変わり始める」
という、小さなけれど確かな真実を伝えるための本です。
もし今、あなたが
「変わりたいけれど、何から始めればいいかわからない」
そんな思いを抱えているなら、どうか安心してください。
変化は、
気合でも、強い意志でも、大きな決断でもなく——
ほんの少し、考え方の向きを変えるところから始まります。
そしてその小さな向きの変化が、
半年後のあなたを、まったく別の場所へ連れていくかもしれません。

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