【第3話】ダイエットの常識は、体の仕組みに合っていない

ダイエット

私が長い間信じていた「ダイエットの常識」は、

今振り返ると、どれも“心と体の仕組み”に合っていませんでした。

「食べる量を減らせば痩せられる」

「甘いものを我慢すればいい」

「運動をたくさんすれば必ず結果が出る」

「根性があれば続けられる」

多くの人が口にし、

私自身も疑わずに信じていた言葉です。

けれど、それらは実は太りやすい思考を生み出すものでした。

なぜなら、人間の心には限界があるからです。

何かを“我慢する”という行為には、

大量のエネルギーが必要です。

心理学ではこれを「注意資源」と呼びますが、

これは無限には存在しません。

仕事、家事、人間関係、悩みごと……

日々の生活の中で、

この貴重な資源はどんどん消耗していきます。

心が疲れている状態で、

「お菓子を我慢しよう」「夕食を減らそう」と言っても、

その判断を支えるための注意資源が残っていないのです。

だから、我慢する。

そして疲れる。

疲れた心は、その反動として“すぐに満たされるもの”を求める。

甘いもの、しょっぱいもの、油の多いもの。

そうした食べ物は、一瞬で心のざわつきを消してくれるからです。

結果として、

我慢 → 消耗 → 反動 → 過食

というサイクルが生まれます。

これは意思の弱さではなく、

人間の心と体がもつ自然な反応です。

むしろ、この仕組みを理解せずに

我慢だけで頑張ろうとする方が不自然なのです。

さらに厄介なのは、

こうした無理な努力を続けることで、

「自分は続かない人間だ」という

ネガティブな思考の癖 が強化されることです。

これは体重以上に重くのしかかる負担でした。

「頑張っているのに報われない」

「また失敗するかもしれない」

そんな思考が続けば、

そもそも行動を始める気力さえ奪われてしまいます。

つまり、ダイエットの常識は、

心と体の仕組みに逆らう“逆風の方法”だったのです。

しかし私は、朝活を通して気づき始めました。

変わらなかった理由は、努力が足りなかったからではない。

努力の方向そのものが、体の仕組みに合っていなかったからだ。

我慢ではなく、整えること。

根性ではなく、思考の向きを変えること。

制限ではなく、選択を優しく変えていくこと。

この新しい見方は、

後の大きな変化の土台となっていきました。

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