「太っていた頃の自分」と「痩せ始めた頃の自分」を比べてみると、
同じ人間なのに、まるで別人のように“心の働き”が違っていたことに気づきます。
体重の違いではありません。
食事量でも、運動習慣でもない。
もっと深いところにある、
“心の扱い方”・“情報の扱い方”・“行動の選び方”
この3つが決定的に違っていたのです。
太っていた頃の私は、
感情に振り回され、疲れを食べ物でなだめ、
短期的に楽になる行動ばかり選んでいました。
不安、焦り、寂しさ、退屈、イライラ——
そうした感情をうまく扱えず、
それらを静めるために手っ取り早い行動へ走る。
それが結果として“太りやすい行動”につながっていたのです。
一方、痩せ始めた頃の私は、
感情を「抑え込む」のではなく、
「観察する」ようになっていました。
「今、自分は疲れているな」
「これはストレスから来ている衝動だな」
そんなふうに一歩引いて感情を扱えると、
“とりあえず食べる”という選択をしなくて済むようになっていきました。
この違いが、後から思うと非常に大きかったのです。
■ 情報の扱い方も大きく異なっていた
太っていた頃は、
テレビやSNSから流れてくる“刺激的な情報”に囲まれ、
それをそのまま受け取っていました。
そこには考える余地がなく、
ただ反応し、ただ消耗していく日々。
しかし、読書を始めてからは、
情報と「距離を置く」ことを覚えました。
情報を受け取る前に、
「これは本当に自分に必要なものか?」
と問いかけるようになったのです。
すると、余計な不安や焦りに振り回されなくなり、
心に少しずつ“余白”が生まれました。
この余白こそが、
後の生活改善・食習慣改善の大きな土台になっていきました。
■ 行動の選び方も根本的に変わっていた
太る心は、
「すぐに楽になること」
を選びます。
痩せる心は、
「自分を少しだけ整える行動」
を選びます。
ここで重要なのは、
痩せる心が“苦しい行動”を選ぶわけではない
ということです。
・少し早く寝る
・少し遠回りして歩く
・少し静かな時間を持つ
・少し体を動かす
ほんの小さな行動ですが、
その“少し”が積み重なって、
人生全体をゆっくり変えていきました。
■ 決定的な違いは、「自分への態度」
太っていた頃の私は、
「できない自分を責める心」で生きていました。
痩せ始めた頃の私は、
「できた自分を静かに喜べる心」で生きていました。
この“自分への態度”の違いは、
後の全ての変化の根底を支える力になりました。
体重は後からついてくるもの。
まず変わったのは、
心の向き
だったのです。


コメント