【第18話】「自分を粗末に扱わない」という姿勢が育つ

20kgの減量を達成したとき、

鏡に映る自分の姿は確かに変わっていました。

けれど、それ以上に大きかったのは——

“自分を雑に扱わなくなったこと” でした。

以前の私は、

疲れたら食べ、

ストレスがあれば甘いもので誤魔化し、

眠気にはカフェインを重ね飲みし、

気分の落ち込みをごまかすためにジャンクフードに走る。

体を「道具」のように扱い、

心を「消耗品」のように扱っていました。

“どうせまた続かない”

“これくらい自分に甘くても仕方ない”

そんな言葉を心の中で繰り返しながら、

自分自身に対する扱いも、期待も、

どこか低く見積もっていました。

■ 自分を変えたのは「成功」ではなく「整った実感」

しかし、断食、朝活、運動、読書…

これらをコツコツ積み重ねるうちに、

心と体に小さな“変化の兆し”が現れました。

・朝の目覚めが少し軽い

・歩くのが楽になった

・甘いものを欲しがらなくなった

・イライラが減った

・判断がクリアになった

これらの小さな変化が重なると、

ふと、こう思う瞬間が訪れます。

「あれ、自分ってもしかして…大切に扱う価値のある存在なのでは?」

痩せたことよりも、

むしろこの感覚こそが、

人生を静かに分岐させる強力な転換点でした。

■ 「雑に扱う自分」とサヨナラする日

自分を粗末に扱う時、

人はどこかで“どうでもいい”という諦めの色を帯びています。

・どうせ自分なんて

・頑張ったところで変わらない

・少しくらい崩しても平気だ

そんな考え方が、

心を少しずつ曇らせていきます。

しかし、生活が整い、

体が整い、

心が静まり、

衝動が減り、

判断がクリアになっていくと——

雑に扱うという選択が

“似合わない自分”になっていきます。

まるで、古い服を自然と手放すように。

■ 自尊心は、努力ではなく「整った状態」から生まれる

一般的に「自尊心」は

精神論や自己啓発の文脈で語られがちですが、

私はそうではないと気づきました。

自尊心とは、

“整った自分を体験したときに自然と湧き上がるもの” です。

・スッと歩ける体

・感情に振り回されない心

・選択がぶれない思考

・無駄のない生活

・誇れる小さな習慣

こうした積み重ねが、

人の内側に「私は大事にされるべき存在だ」という

静かで揺らがない感覚を育てます。

努力して“自分を大切にしよう”とするのではなく、

整った生活が“自分を大切にしたくなる私”を作るのです。

■ 「これなら続けたい」と思える生き方が育つ

自分を粗末に扱わなくなると、

選ぶものが変わります。

・体が重くなるものを自然と避ける

・夜更かしをしない

・無駄なストレスから距離を置く

・心を疲れさせる人間関係を調整する

・未来の自分が喜ぶ選択をする

これらは意志の強さではありません。

“大切にしたい自分”が自然と選ぶ行動 なのです。

痩せたことはきっかけに過ぎません。

その奥に育ったのは、

「これからも自分を大切にして生きていく」

という静かな決意でした。

20kg減はゴールではなく、

自分を粗末に扱わない生き方への入り口。

私はそう感じています。

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